続・エンジンオイルを考える

改めてエンジンオイルを考えてみたらわけわからん

前回のブログでは管理人の中で曖昧にしていた硬さの部分を際勉強させてもらった。
エンジンオイルって大体100度前後で使うもんだから冷えててる時の粘度って極端に固くなければなんでもいいのかと思ったり色々考察する部分がでてしまったような気ががする。

そんなもんメーカーが指定していたものいれておけばいいだろと思う方もいると思うが、旧車の場合はメーカー指定のオイル自体がすでに過去の遺物であり、現代技術ベースで色々考えてやらんともったいないことが起きるんですわ。要は便利なもんは何でも使えの精神です!

てなわけで硬さについては一旦おいておいて、今度は種類を考える。

エンジンオイルの種類

まぁ今更なんだけど、管理人的には名前のせいで何じゃそりゃ状態だったことがあるんでおさらいの意味で書いてみる。

鉱物油

昔ながらの製法を大事にした珠玉の一杯。
原油を蒸留し、エンジンオイルとして適した部分を取り出したものだ。割と自然そのままの状態なんで、これから紹介する科学系の連中に比べると性能は低いと言わざるを得ないが、かといって現在市販されているオイルが使い物にならないなんてことはまず無いので安心してほしい。

余談だが、オイルの性能は原油の質に大きく左右されるため、エンジンオイルとして質のいい原油が出る井戸は宝とされている。
あっちの井戸がいいだの、この井戸は俺のだ!とか、やべえ産油が減ってきただのオイルメーカーは結構これの確保に四苦八苦しているらしい。

半科学合成 部分合成 セミシンセティック Semisynthetic

題名が長いけど、結構いろんな名前で呼ばれている半化学合成。
早い話が完全な科学合成油と鉱物油をブレンドさせて両方のいいところを頂こうという存在である。

これも名乗るのに資格が必要で、科学合成部分が20%以上無いとダメらしい。
なんでこんなもんがあるんだって言えばひとえに経済性と性能の両立に尽きる。混ぜる事によって鉱物油が持つ経済性(要は値段)をある程度維持しつつ、化学合成油の性能を持たせようとしているってことだろう。

なんで割と財布に優しく最高の中の最低限の性能を持ち合わせているオイルが多い。中途半端な印象だが、ハードユースでなければ十分に選択する理由があると思う。

科学合成油 synthetic

現在、エンジンオイルの頂点に立ち唯一無二の存在として君臨し続けるエンジンオイルの究極形態。

ただ蒸留するのでなく、原油にありとあらゆる高度且つ複雑な過程を施し精製、蒸留し可能な限り純粋なベースに対してメーカーによって色々考えれれた添加剤やノウハウを惜しげもなく投入、最高の物を作り上げている。

手間暇をかけた珠玉の一杯なため、性能は折り紙付きだが、そのお値段も珠玉となるため日常ユース、ましてオイル交換が頻繁になりがちなバイクでオイル交換のたびに家賃が如くの金額がかかることもある。

この辺がネックだが、性能は文句なしのダントツ、財布に余裕があれば絶対の使用をおすすめする。

と、種類についてはこんな感じになってくる。
結局科学合成突っ込んでおけば間違い無いってのはあるんだけど、なにせお高いし本当にそこまでの性能が必要なのか?って事はメカニックとして考えなければならないことだと思うので、次に総合的なオイルとの付き合い方を考えて見よう。

交換時期から選び方までオイルをトータルで考える。

硬さの見方から種類まぜなんとなくわかったところで、今一度オイル選びから考えてみよう。
ただ、最高の物はわかっている(超高い化学合成油)ので、そのコストが使用状況に見合うかどうかの見極めがオイルの選択基準だと管理人は思う。

例えばであるが、空冷エンジンに絶対的に不利な夏場、2ケツで荷物満載のツーリング前とかは科学合成、春とか秋の快適期は半科学、どーせ対して乗らないしエンジンもよく冷えて酸素も濃い冬は鉱物油で、とかそんな感じの選択は有りだろう。
もちろん財布に余裕があるんであれば通年科学合成油突っ込んでおけば間違いなんだけどね。

あとは硬さ。
前回のブログでマルチグレードのあの表記(10w-40とか)って冷えている時の性能と硬い時の性能がでているだけなんで、基本的な硬さはエンジンオイルの動作温度での硬さを示す40の部分が基本だって勝手に結論付けた。
これだと柔らかい時の性能なんていらないんじゃ…とも思ったけど、実際に油温計とかつけて走るとわかるが、この油温が100度前後まで上がるには外気温にもよるが結構走らないと(渋滞もない流れのいい市街地であれば10キロぐらい)温度が上がらないってのがわかると思う。
つまりちょっとした通勤や買い物レベルの距離だとオイルは暖まらず硬いまま走る傾向がある
こうなるとやっぱり冷えている時の性能も欲しくなる。オーバーホール編のところでもちょっと書いたけど、オイルを入れなければなんの抵抗もなくスルスル回るフライホイールが、シングル50入れただけでまるでアロンアルファのCMよろしく全く回らくなるほどオイルの抵抗はでかい。
この抵抗を最低限にするためにバッチリ組んである旧車にもマルチグレードのオイルの使用をおすすめする。
高性能のオイルも選べるしね!なーに、漏れたり燃えたりしたらその時はシングルに変更しよう!

こんな感じでオイルをえらんでみてはいかがだろうか?ちょっとまとめると…

  • エンジンオイルの最高は化学合成と決まっている!
  • エンジンオイルの選択は財布と使用環境との相談だ!
  • オイルの動作時の硬さは末尾の数字が表す!この値はシングルの数値と意味は一緒!
  • ならシングルグレード推薦の過去のエンジンでもマルチでいいでしょ!

まぁこんな感じかなー

オイル交換のタイミングと冬季保管

これもよく聞かれるので適当に答えておこう。ただし管理人の主観バリバリなんで参考程度に。

交換のタイミングは5,000キロに一回、エレメントは2回に1回が基本。距離は多少であれば前後しても全く問題無い。
最新の車の場合はもっと推薦距離が長い(12,000キロとか)が、ハーレーの場合空冷で温度が安定していない上、最近のM8以外のやつは燃焼自体もそれほど上手ではないため車とは比較にならないほどオイルが汚れるしへてるんで、5,000キロでの交換を勧めている。

そんなに距離のらねーよ!って人でも秋の入り口と春の入り口に交換をおすすめしている。
秋に交換するのは糞暑い夏を乗り切ったオイルは距離にかかわらず疲れ果てている事が多いため。

春先の交換はオイルが結露により水分を含んでいる事が多いからとなる。

この結露、どんな時になるかって言うとエンジンが温まっている過程で結露する。
エンジンが完全にあったまり、走り回ると結露により生じた水分は蒸発して大気に出ていくんだけど、そうじゃないとどんどんオイルに蓄積されていく。
なんで冬季保存中に中途半端にエンジンをかけるのはあんまりよくないってことを覚えておこう。

この冬場にエンジンかけた際に生じる結露が大体どれ位の走行でなくなるかって言うと環境にもよるが大体15キロは走らないと無くならない。
なんで乗らないならエンジンをかけるのは最低限がいいと言っておこう。せめて2週間に一回とかね。

つーことでオイル編は終わります。
最初の最初にいったとにかく高いオイル入れておけってのはこんな理由からで、おすすめが無いのもこんな理由でした。


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